秋って映画が観たくなる季節・・・で、約1年ぶりに映画館で、これを観た。
211

東野圭吾の初の恋愛小説で、200万部のベストセラー「夜明けの街で」。

原作と映画はちょっとずつ違うのは仕方ないが、原作にないセリフなどが随所にあり、むしろその脚本はとてもよかった。

しかし、これの予告編はちょっとずるい。時系列バラバラ、異なるシーンに別なシーンの台詞をかぶせてあり、それは反則(販促?)に思ふ。

原作もよかったが、真っ先に引っかかるのは、クリスマスだ、バレンタインなんていうイベントに固執する主人公がちょっと、滑稽。

... 不倫男41、女31歳だから、どっちもいい歳の大人。それぞれ10づつとか若い設定ならそれも解るが、たかが金儲けのために定着した舶来もののイベント当日に、一緒にいられるかどうかなんてこと、ほんとはどうでもええことやん・・・?

そんなことするから、すぐばれるのに・・・

そしてバレたら、甘くない地獄が始まるのに・・・

 以前から思ってたが、クリスマスイブイブの23日の天皇誕生日は、実は不倫カップルのために祝日に制定されたのではないだろうか?と本気で思ふ。

不倫の経済波及効果はどうやって産出してるかはさておき、年何兆円にも上るわけで、税金喰いの皇室や政府も彼らに感謝し、計らいたくなって当然?

 だからイブはおとなしく家にいても、その日に帰りが遅いとか外泊したら、解り安すぎだが、99パー、浮気だ。

さて、ベースはミステリーでシリアスなのに、脚本により、意外にも冒頭からラストまで、フフ、フフフ、と随所で鼻を鳴らして笑えた。

 原作では 不倫する奴は馬鹿だ。という書き出しで始まり、“この恋は甘い地獄”というのがサブタイトルだが、

 不倫が甘い地獄なら、バレたら辛い地獄。それによる離婚も、また、しないも地獄…

人にもよるが、でき婚とか、なんとなくとか、一生添い遂げる!という強い決意のない結婚から
、それらの地獄絵図は安易に始まりやすいと思う。

で、不倫の地獄というのは、敢えて3者に順番をつけるなら、通常、辛い順に、妻、男、しばらく置いて、独女の順だと思う。

若い独女には、守るものも、失うものもないから、会いたいときに会えないとか、周囲に公にできずコソコソしなきゃいけないとか、結婚したいけどできない・・などの寂しさ、切なさは味わうかもしれないが、

 そのぶん、若い男にはない包容力で、数割増しに可愛がってもらえて、

不倫に励む夫の裏で、飯だ、掃除だ、洗濯だ、子育てだ・・・の家事に一挙に追われる妻に比べれば、一見いいとこどりだ。

 だから、不倫に味をしめてしまうと、結婚なんて馬鹿らしく、そして信じられなくなってしまい、結婚できない・・・という独女も多いのではないだろうか。

しかし、、バレただの、離婚だなんだとなった時には、大抵の女はドン引きし、逃げる。 

仮に女も結婚したいと思っていたとしても、よほどのことでもない限り、

慰謝料だ、裁判だ、養育費だ、なんて、重たすぎるし面倒くさい。

そんなで女に逃げられても、男だけは逃げられず、そこに、子供、互いの両親や社会の柵まで加わってしまう。 

 不倫する男性の大抵が、でき婚だったり、したいと思ってた時に、たまたま付き合ってたとか、家柄とかがよかったからなんとなく・・・って人が多いような気がする。

 他の人には心動かさず、一生愛し添い遂げるって、強い意志や覚悟がないから、やってしまうし、それを言い訳にもしてしまう。

 さて、岸谷五朗さんと木村多江さん、その子供の子役の子の演技はパーフェクト!深キョンは可愛いくてキレイだし、前から好きだが、時折ツメの甘さが・・・。特に泥酔して吐くシーンがあって、白い牛乳を吐いたのは不自然でならず、リアリティを出すために、コムタンかなにかにしてほしかった・・・

それは置いといて(笑)。

自分の親友が、最近不倫をし始めたからというのも大いにあるが、

不倫とは何か、結婚とは何か、ということを改めて考えさ
せられた、深イイ映画だと思う・・・

こういうのを見て、誰も傷つけない不倫、不幸にならない不倫なんてものは、この世の中に存在しない。

改めて、できることならしないほうがいいよね、と思う人が増えてくれたらいいなあ、と願ってやまない。